ツイッターのTLで何度か流れてきている話で、ちょっと気になるものがあります。
本を図書館で読むのは違法配信で音楽聴くのと同じで、著者にとっては失礼なものなのだ、という話題です。
確かに、ちゃんと買って貰わないと商売としては成り立たないし、実際そのせいで出版業界が衰退しているとか、そういうこともあるのでもっともなご意見だと思うのです。
好きならちゃんと買って、作家を生かしてください。
っていう、それは正論だし、でもなかなか言いづらいことだから、誰かが言葉にしてくれるのはありがたい。
あと、わざわざそこ言わなくてもいいじゃん、敢えて「買ってない」って宣言する意味はあるの?っていう部分もあると思うんですが。
でも個人的には、ごくごく個人的には、私がそういう感想を貰うこと自体は別にいやではないな、と思うことに気が付いたなっていう、話なんですけど。
(もちろん、失礼だ、という人の意見に反対するものではありません。個人的に私がそう思うだけ)
私は子供の頃から図書館も古本屋も大好きだったし、自分ではとても本が買えない子供時代に、図書館にいくらでも読んでいい本があったお陰で今の自分がいると思う。
古本屋さんについても良し悪しあるとは思いますが、(実際大手チェーン店とかちょっと……と思うこともあるけど)
本っていうのはそういう「流れる」性質を持っていると思うし、そこにはロマンを感じます。
本というものの形で人の手から人の手へ渡ってゆくところに物語があると思う。
これは電子書籍にはない、モノとして形があるからこその面白みだと思います。
好きな人に借りました、親の本棚からこっそり抜き出しました、古本屋でたまたま目に留まりました。
どこで見つけたか、誰に借りたか、貰ったか、その人のことを好きだったか嫌いだったか、その本によってその人の印象がどう変わったか。自分とその人、世界との関係に変化が生じたか。
そこには無限のドラマがあるし、手に取る場所も含めて読者に運命を与えると思う。
だからもし私が自分の本の感想を貰うとして、誰の手からその人の手へ渡ったのか、そのことをどう感じたのか、そこまで教えてくれたら楽しいと思うのです。
どうやってその本に出会ったかの過程も、その人の感情を動かす一因であったに違いないのだから。
で、ここで最初に戻り、「敢えて買ってないって言わなくてもいいじゃん」なんだけど、それはもちろん作家の側からしたらそうなのですが、多分読者にとってはその「出会いの場面」まで作者に伝えたい場合があるんだろうなあとも思うんですよね。
雑誌や宣伝などで既にどこかで出会っていて、それで好きになったら最初から本を買うだろうけど、図書館とか人に借りたとかっていう場合、それはその人にとってその作品を「好きになったきっかけ」なわけです。「出会いの場面」。
だから、きっと、余計なことなんだけど、伝えたくなってしまう人っていうのがいるんじゃないかなあって想像する。
「あなたの本と私が出会ったのはこういう場所で、こういう場面だったのです」って。
これが、「広告で知りました、そのあと本を買いました」だったらいいんだけど、「図書館でたまたま見かけました、好きになってしまいました」って人がいるのだと。
まあそれが無神経というのは確かにそういわれても仕方のないことなので、読む人は作者に伝える場合気をつけるに越したことがないですが!
まあ、それで気に入ったら次は買ってくださいね。
というのが、いちばん嬉しくはあると思うんだけど。
中にはほんとーに無神経で、失礼なこと言ってくる人っていうのも確かにいるからな。
大手古本屋とか、流通させている側に問題がある場合も多いとは思うけど、だからと言って読んでくれた人を責めたくはないなと思う、のは甘いんでしょうか。
実際みんながみんな借りて読んでばかりだったら、確かにおまんまの食い上げだから、買ってくれるのが大事なのはもちろんなんだけど。
そしてそれをちゃんと主張してくれる人がいるから、私たち作る側の権利は守られているわけで、だから全然ご意見に反対するものではないんですけどね。
まー個人的に、ごく個人的に、私がそういう感想を貰うのは嫌いじゃないっていう話です。プロ意識が低いだけかもしれないけど。
どこで出会って私を好きになってくれても、いいんです。
その代わり、好きになったらまた読んでね、お金が出来たら新品を買ってね。
まあそんなこと言っても私の本は図書館には置けないとおもうけどねえええええ!!!(笑)
※あ、でも、「借りて読みました」ならいいんだけど(本との出合いが先だから)、面と向かってこういう本があります、って紹介した時に、「じゃあ借りて読みますね」っていうのは確かにちょっとムッとすると思うので(作者との出会いが先の場合)、そのへんはぜひ臨機応変に、嘘でもいいから「ぜひ買います」と言って欲しい!
DLしてね♪
「羞恥の公開○漢」
「目隠しされて、複数の男に」