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CabaretM1

官能小説家、深志美由紀ブログ

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ゆめにっき

久々に面白い夢を見た。

夢の中で私は車に乗っていた。
運転席には夢の中の愛人、後部座席には私よりいくつか若いがいまひとつ冴えない女の子。

愛人は半端にやくざ風の男であり、どうやら何かヘマをして私たちを身売りにゆくようだ。
滅多に行けない場所に連れて行ってやると男が裏社会に精通している自分を若い女に自慢しているのを不愉快に思ううちに車は目的地に着いた。彼女は自分が売られることを知らないのだ。

品の良いぜげんの中年婦人が私を品定めして、歳はいってるけど素材は悪くないと褒める。どうやら夢の中の私は美女でならしてきた年増らしい。

... 男の頬を張り、女の子に謝らせてから彼を置いて二人で車を降りた。

婦人の案内で、廃墟の巨大団地のような場所をくねくねと登った。目ざすは316号室。
ごちゃごちゃと建物が入り雑じり、落書きと訳の分からないネオンが溢れたアジアンパンクな九龍城のような建物の中は迷路のようで、婦人を見失ったら迷子になりそうだ。

誇り高く背筋を伸ばして住人たちの視線を受けながらふと不安になる。身売りの心境というのは不思議なものだ。

売られる自分を惨めに思いながら、それだけの価値があることを誇りに思い、もしも売り物にならなかったらどうしようと不安になるのだ。

辿り着いた部屋はそれまでの乱雑さが嘘のように高級感に溢れていた。
椅子に座る中国人らしきマフィアのボスの隣に一人の女子高生がいて、私たちに気付いてボスの耳にはまったイヤホンを引っこ抜く。それまでいい女ぶって歩いてきた私は、あきらかに自分より瑞々しい女子高生の存在に一気に引け目を感じてしまった。
私はせめて背中を伸ばし顎をあげていきがる。後ろ姿のボスが振り返って私たちを一瞥し、笑った。

どちらもつれ歩くには歳が行き過ぎてるな。分かるだろ?悪いね。

ああ、やっぱりだめか。

私は慰みものにならずに済むことにほっとしつつも、その価値のない自分に傷付いたのだった。




以上。ものを書くというのは身売りにも似ています。売りたいけど怖いし、売れなかったらと不安になるのね。

夢の中の私は売られたくない筈なのに悔しくて、いまここで「実致」してテクニックを披露してやろうかとすら思っていた。
性分だな。

ついでに言うと、若い女は売れなくても私は売れるだろうという自信もあった。
つくづく、自らに隠れた自意識に辟易!笑。

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