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CabaretM1

官能小説家、深志美由紀ブログ

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ヘルタースケルター

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似合わぬ畳の床ですみません。



沢尻エリカさん主演の映画、ヘルタースケルターが話題ですね。


観たい!!

これは久々に映画館で観たいなあ、と思っております。


今のところ、観に行った人からは賞賛も聞かないが大きな批判も聞かないので、あれだけの原作を持ちながらガッカリされないというのはなかなかのデキなんじゃないかなと予想。

全身整形女優のゴシップの物語の主演が沢尻エリカ、主題歌が浜崎あゆみってところも、ブラックジョークが利いてていいよね。




原作である岡崎京子さんの漫画は、そこそこ年齢の行ったサブカル女子、またはフィールヤング全盛期世代の女子なら一度は読んだことがあるのではないかと思いますが……。




昨夜、久々に引っ張り出してみたら面白くてまた全部読んじゃった。


何度も読んでるのに、まだ新鮮。


すげえよ岡崎京子さん。




副作用のある美容整形、というのはあくまでファンタジーで、実際は安全なものだろうから今思うと微妙なラインなんだろうと思いますが(連載当時はここまで一般的に認められているものではなかったのだ)、広い意味、大きな意味である種の依存と副作用を生む、という象徴的な表現であるのかなと思います。



完璧な美しさを求めて繰り返ししてしまうメンテナンス。

化粧品なんかシャブみたいなもんよ、どんどん強いもんが欲しくなる。




男性のご意見で、もっと、愛する人を出した方がドラマティックだ、という意見があるとどこかでチラリと観ましたが、ナニを寝ぼけてんだよと思いますね。


女は男のために美しくなるわけでは、ないのだ。




実際、「ヘルタースケルター」の漫画の中で、雑誌やテレビに映るりりこのウワサをする視聴者が何度か描かれていますが、それはすべて女性です。


「りりこっていいよねー」


この、「いいよね」を、女性からの賞賛を引き出すために、りりこは死ぬほど努力するのです。




男にモテたいから美しくなりたいんだろうなんて理屈は、男性の幸福な妄想でしかないのだと思う。

女は女に勝つために、賞賛されるために、憧れられるために美しくなるんだもん。


実のところ男にモテるというのは狩りの結果にしか過ぎません。

獲物が多いのは優秀さの証しでもありますが、あくまで判断基準のひとつであり、実際はただ美しいという、それだけが女の生物としての優秀さということなのです。

賞賛というのは負けを認めるということです。尊敬されて女王として崇め愛されるということです。

つまり私たちは、勝ちたいのだ。そして、愛されたいのだわ。





ところでアイドルや芸能人の女性には2種類の人たちがいます。

恋を売り物にする人と、憧れを売り物にする人です。


世の中、人様にお財布を開かせることができるのは恋と憧れのふたつだけ。



男に媚びて恋を売り物にする女の子は、女の敵対心を煽るので女性票は集まり難いです。

女の賞賛を得て憧れを売り物にする女性はたとえエロい方向性でも男に媚びないので(エロカワとかビッチ系)、女からも男からも票を貰える可能性が高い。


というわけでうまいやりくちは女に売る方だと思うのですが、それにしても、商品が容姿のみというのは価値が下がるのが早くて、厳しい商売だなあと思うわけです。





「みんな何でもどんどん忘れてゆき

ただ欲望だけが変わらずあり そこを通り過ぎる

名前だけが変わっていった」



それでも美しくなりたい、美しくなりたい、美しくなりたいのだ、美しいというのは強いということだから。









CabaretM1「監禁された私」 DLしてね♪

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