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官能小説家、深志美由紀ブログ

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ベイビー、ベイビー

おうちネタで思い出したので。



昔、10年位前?タイトルは忘れてしまいましたが、間取りについての本を読んだことがあります。

確か建築士の方だかが書いてらっしゃる本で、ものすごーく興味深いことが書いてあった。


いわく、昨今の子供が自立しないのは家の間取りのせいだというのです。


確か当時はまだ「ニート」という言葉が一般的ではなく、仕事しながらも実家を出ない、なかなか結婚をしない「パラサイトシングル」という言葉が社会現象的に蔓延していた時期だったと思う。

それでもまだ「仕事も始めたのに自立しないで実家にいる」で「パラサイト」なんて呼ばれていたのよ。

いまやそんなの当たり前だよ。

それどころか仕事すらしないで部屋に閉じこもる大人(既に子供ではない)が山ほどいるのですから事態は悪化の一途を辿っているとゆーことです。


まあニートの皆さんが精神的な疾患を抱えていて保護すべきものであるとかそういう問題はこの際おいておく。

私としてはニワトリが先かタマゴが先か的問題で、まず大人になる年齢で有無を言わさず無理矢理社会に出てしまえば多くの人が問題をクリアしたはずだと思うので。とかいう件についてはまた後日。



でだ。


なんでここに間取りが関係あるかというとですね。

その本の作者さんのいうことには、つまり、子供が自立しないのは戦後日本における「マイホーム幻想」が深く関係しているというのです。


どういうことかというと、戦後、復興に燃えて経済的に成長した団塊世代のお父さんお母さんは、みんな、「マイホーム」を手に入れることを夢に見たと。

景気もノリノリでみんなが庭付き一戸建て、欧米風にプライバシーの守れる子供部屋を備える家を手に入れた。

この「子供部屋」がいかんかった、と彼は言うのです。


それまで日本の家というと大体襖や障子で仕切った鍵ナシの間取りが一般的で、前述の私の実家なんかもそうなんですが、子供のプライバシーなんてのはあったもんじゃなかった。

しかもたいてい子沢山。

思春期を迎えた頃から「一人になりたい」「自由が欲しい」「自分の城が欲しい」と自然に思うようになった子供は、大人になったときたとえ親が反対しようと勝手に自立していった、というわけです。

結婚も含めね。


それが今の鍵付き子供部屋があると、居心地が良いので子供が自立する意味を見出せないという。

むしろお金も掛からないし。

仕事をはじめれば自由になるお金も増えて、でも家賃光熱費は親任せ、上げ膳据え膳ってこんなすばらしいことはないもんね。


かくして子供たちはいつまでも子供のままで子供部屋に居座り、テレビパソコン冷蔵庫を完備した繭の中でぬくぬくと幸せに暮らしているというわけですね。最悪仕事もせずに暮らしていけるから、いつまでたっても学生気分の三十代も少なくない。

でも、いいの。

だってそれは親が望んだことなのだもの。


もちろん子供部屋の問題もあり、この「子供が自立しない」というのを良しとしているのはやはり親なのだ、と私は思います。

最近は子供が少ないし、親は子供を大事にするでしょ。いつまでも「子供」には「子供」のままでいて欲しいんだよね、やっぱ。

じゃあ欧米風の家でプライバシーを守られた欧米の子供は自立しないのかというと多分そんなことはなくて(最近はあるのかもしれないが)、むしろ個人主義が徹底してるから自立していくわけでしょ。その、境には何があるのかと言うとやっぱり親の意識だと思うんだ。

ハタチまで蝶よ花よと育ててきた可愛い子供には25歳くらいまでは自分の手元で自分を頼って生きて欲しい。いやむしろギリギリまではいてほしい。っていうのが実際のところ、今の親の心境なんじゃないかなー。

でもそれを過ぎたら突然立派な大人になってほしい。って、それは無理だ。

(でも多くの親が子供が30くらいになると現実が見えて焦るみたいだけどね。可愛くないもんね、さすがに三十路を越したらね。自分の老後も心配になるし)



30過ぎまで男女交際禁止で育ててきた女の子に突然「そろそろ結婚しろ」て突きつけても無理なのとおんなじだよ(ちなみにそういう人も最近増えてると思う)。

お見合い制度の破綻した今の世の中、箱入りが自由恋愛で結婚するのは無理だわよ。若いうちに結婚して欲しかったら自分の娘が多少のアバズレでも許せ。

これはちょっと話が違うけど、まあ、似たようなもんです。


ちなみにうちは「女の子は一人暮らしをしてはいけない」という家でした。

結婚するまで家を出ちゃいけないっていう。

なんで女だからといって保護者(親)から保護者(夫)に引き渡されねばならんのだ。と言ったらある男友達は「だって危ないじゃんレイプとかされちゃうかも」とぬかしたわけだがじゃあお前は今後一切道路を歩くな、だって危ないじゃん車に轢かれるかもしれないぜ!!!!

しかしこれもこの7年ほどで一転していまやもし離婚しても帰ってもらう場所がないと申し訳なさそうに母が言うわけですが(姉夫婦が実家を継いでくれているのだ、ありがたいことに)、何をいわんやですよ。ありがとうだよこのやろう。

ああ大人になってよかった、と心底思う。


はっ、脱線してしまいました。



男の子の親も女の子の親も、子供はギリギリまで自分の手元で育てて、できればそのままみだらなことを経験せずに清潔に突然すばらしいお嫁さんかお婿さんを連れて来てくれないかな、我が家に居座ったまま家庭を築き、自分の老後の面倒を見てくれないかな、と思っている。


どっちもそう思ってるんだもん、そりゃ、なかなかお嫁さんもお婿さんも来ませんよ。

ついでに言えば「子供」扱いして育ててきた子供はいつまでたっても「子供」だよ。




私にはまだ子供はいないけど、もし生まれたら18を越えたら男女問わず家から追い出そうと思います。

学生でも関係ねーや。仕送りはせん。学生のうちは家賃だけは払ってやっても良い。

自分が税金やら光熱費やら自炊やらで結婚したあとなんにもわからなくて苦労したし恥をかいたから、自立させるのも親のつとめのうちだと思うの。

夫は反対するかもしれないが説き伏せる。


って、でも子供できたら可愛くて手放したくな~いって思うのかなあ。

この決心を忘れないようにしたい。書きとめておこう。




そういえば前述の間取りの本は、確か、犯罪者の家の間取りを研究したりしていたような気がします。

なんか拉致監禁事件のうちの間取りとか。親の目の届かない子供部屋の危険性みたいなん(つーかもう子供じゃねーだろって話だが)。もちろん全部間取りのせいではないけど、この間取りじゃなければ成り立たなかっただろうって言う。

あれ、なんて本だったかなあ。もう一度読みたいなあ。

なんか情報知ってる人いたら教えてください。





↓小説を置いたりしている本館でございます、よかったら!


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