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CabaretM1

官能小説家、深志美由紀ブログ

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さがしもの

角田光代さんの「さがしもの」読了。

本にまつわる短編集。


読み終わってから、自分のあらゆる本との出会いがあれこれと思い浮かんで、とにかく誰かに話したいような想いに駆られました。

私が生まれて初めて本を意識したのは三歳か四歳くらい、世界の童話全集みたいな何冊ものセットで、なんと朗読のカセットまで付いていて、「お子様の情操教育に」などと押し売る訪問販売に根負けた母が高額なローンを組んで買ったものだった。
あきらかに騙されています。
ちなみに、我が家にはその他に絵本なんかはなかった(絵本を読み聞かせる文化がなかったのだ)。

母は最近になり、私が作家なる職業についたのを見て「あの時私が騙されたお陰だわね!」と少し嬉しそうです。

んなわけあるかーと思ったけど、もしかしたら、その通りなのかもともちょっと思う。

ハーメルンの笛吹き、大きなかぶ、金のタマゴを産むニワトリ、ジャックと豆の木…確かにその時、その本は私にとって世界への扉でした。

そんなんでもなきゃ絵本とか揃えることもなかったろうし、騙されてくれてありがとうお母さん(笑)。


人生の分岐点ともいうべき本はいくつかあります。
私も誰かの分岐点になりたいと、強く思った衝動を忘れずにいたい。

| もばいる | 18:17 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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