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官能小説家、深志美由紀ブログ

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婚外恋愛

婚外恋愛、という言葉について考える。



これは実は、書くのすごくすごく迷う内容なんですが、でもいいや、先日ちょっと友人と話が盛り上がっていろいろ考えたので、ネタは熱いうちに書いちゃえ。


ぶっちゃけこの、アメブロの読者さんにも何人か「婚外恋愛」カテゴリのブログを書いてらっしゃるかたがいて、多分、ご覧になったら気分を悪くされるかもしれない。

でも、まあ、意見のひとつということでご容赦いただけたらと思います。あかん、と思ったら切っていただいてもかまいませぬ。


それに、実は私はいま夫の不倫相手と裁判をしていて、ちょっとでも恋愛やら夫婦関係やらに関連することを書くと相手側が私のブログやらツイッターやらを印刷して逐一証拠提出してくるのだ。

ほとんどムダだと思うんだけどほんの一行の言葉尻とかを揚げ足とってくるのよ、めんどくせえ。けど書いちゃう。だってあたし作家だもん。

リスクが怖くてモノが書けるかっ!




さて、最初に間違えないでいただきたいのは、私は婚外の恋愛、つまり「不倫」という事柄について、「絶対にあってはいけないことだ!」と糾弾したいわけではないということです。


むしろ、官能、恋愛小説なんか書いてる身としては、恋愛は多様性があるほうが面白いと思うし、障害やら葛藤やらを感じるのは気持ちが良いとも思うし、まあ、言ってしまえば人様の不倫話を聞いたりするのは結構嫌いじゃありません。

別に、他人がするぶんにも文句はない。ただ、いろいろ気をつけてね、たいへんね、と面白がるだけです。

もし友達がしていたら、「慰謝料払う覚悟がないならやめなさいよ」とアドバイスくらいはすると思うけど。



じゃあナニが気になるかと言うと、ずばり、「婚外恋愛」という、なんやら昨今新しく出来たらしい言葉についてなのです。


これ、なんなのー?


「婚外恋愛」って。いや、まあ恋愛だけど。

「不倫」とはまた違う、この、いかにもピンクな感じの能天気な響きはなんなんだ。

しかもなんか、気になるのは、それを語るひとたちがまるで「わたしたちフツウに恋愛してるだけなんですっ」といわんばかりの正当性を振りまいていることだ。

「悪いことしてるわけじゃないんです!」っていう。


いやいやいや、それ、ちょっと違わない?

古式ゆかしい「不倫」という言葉には、確かになんというかこう、薄暗い響きがあります。

「ああ、アタシ悪いことしてるのね」っていう感じの、アンニュイな雰囲気が漂っているじゃないですか。

だって「不」「倫」だし、これは倫理に反していると、文字からして主張しています。

たぶん、世間の婚外恋愛者のみなさんは、それが気に食わないんだと思うのね。

「不倫」じゃあ、どんなに楽しく恋愛していても薄暗いもん。

私たち恋してるのよ、ラブラブだし愛し合ってて楽しいの、ということをハッピーに書きたいときには、確かに、「不倫」では痛いだろう。

なんか、「不幸」な感じもつきまとうしね。


たぶん、不幸な恋愛だとは思いたくない(思っていない)んだろうと思う。

これも幸せな恋愛の形なの、たまたま恋人(自分)が結婚していただけで……そういう人たちの心の隙間に、「婚外恋愛」という言葉はぴったりとはまったのでしょう、きっと。



その証拠と言うか、「婚外恋愛」って書く人の多くの場合の特徴に、「恋人(自分)のパートナーについてほとんど触れない」っていう傾向があるように思うんですよ。

自分と恋人の恋愛の、楽しさだけをピックアップする。たまに「寂しい」みたいな言葉が出てきても、あくまで「両思いな私たち」を前提にしたちょっとした障害としか語られない。

(あるいは婚外恋愛というカテゴリは、妻自身の恋愛を語っていることが多いのかも?)

一昔前の「不倫日記」みたいのは、違ったよね。

なんつーか苦しい、辛い、私かわいそう、奥さん恨みますみたいなそういう、ちょっとドロドロしたムードが必ず漂っていたと思うの。そういう被害妄想と自己愛に満ちたポエムも気持ち悪ぃなとは思っていたんだけど、昨今の「婚外恋愛」の不自然なハッピーさに比べたらぜんぜんましなんじゃないかと思えてきてさー!


いや、まあ、実際そういう人たちもいると思うのよ。

結婚してはいるけど家庭内別居、仮面夫婦のような状態で、一切夫婦生活はなし。子供がいるから離婚はしないけどお互い恋愛は自由にしようねみたいな夫婦関係で、だから、外に恋人がいてもなんにも気兼ねはいらないの。みたいな。

でもそれってほんの一握りの人だけでしょー。


ほんとは皆、恋人のパートナーを意識してお付き合いをしてるでしょ。そのはずだ。


妻や夫の目を盗み、携帯を切り、人目を忍んで近所を避けて、嘘をついて家を抜け出して、そうやってお付き合いしているわけじゃん。

その背徳感から目を逸らしてどーすんの。いや、むしろその気持ちよさに酔われてもソレはそれで腹が立つわけだけども……。

「いつもは会えないぶん、会えたときには全力で愛するんです」みたいなことをよく見かけるが、だから、会えないんだろっ。それは罪だからじゃーないですか。


いくら言葉を軽くしようと、明るくしようと、「フツウの恋愛なんです」と主張しようと、罪悪は罪悪なわけよ。法律で禁止されてる、訴えられたら負ける行為なわけよ。

別にそれを、悪いからやめろとは言わないけど、せめて、覚悟してしなさいよ、と言いたい。

「婚外恋愛」なんつー浮ついた言葉できゃっきゃはしゃいでるやつらに、またはちょっと悲劇と障害を楽しんでる程度のやつらにその覚悟はあるのかと問いたいっ。


ううん、ちょっと、いろいろな事情が絡んでじゃっかん興奮してしまったぞ。


家で待ってるほうはさー、苦しいじゃん。

自分の夫が外で何してるかは、女には大体わかるでしょ。

(なぜか男はカミさんが外で何してても気付かないことが多い。どーせ恋愛なんかできないと見下しているからだろうか)

私は、私を裏切る人間は許さない。でもそういう女性ばっかじゃなくって、夫が遊びに飽きるのを黙って待ってる妻のなんと多いことか。


逆に、夫をただのATM代わりにして自由奔放にすることを、「女の自立」と勘違いしている主婦とかね。


あんたたち、言っとくけど恨まれてますよ。

そしてその恋人は、いざというとき決して責任を取ってまで自分を選ばない。

それを忘れたらだめよ。そのうち痛い目見るぜ。

(いや、ぜひとも見るべきだとすら私は思っているんだけど)


いざパートナーに逆襲された時に「そんなつもりじゃなかったの、私はふつうに恋愛してただけなの」っつったって通じないのです。その時になって泣くんじゃねーぞと。


だからやっぱり、既婚者との恋愛は「婚外恋愛」なんかじゃなくて、「不倫」だと私は思う。







あと、「婚外恋愛」じゃー演歌にならんよなと思うのよね。

ニッポンの正しい不倫は、土曜の夜に泣きながらスナックで水割り飲んで演歌だろ。

テレサ・テンだろ、ポケベルが鳴らなくてだろと。


ワビサビがないのよ、「婚外恋愛」。



でもさ、逐一ブログとして記録しないと幸せを感じられないって、それはほんとは不安だからだよね。

幸せな恋愛だと自分に言い聞かせるためにハッピーを綴っているのかも。

ほんとはみんな、それに気付いているのかもしれない。


(ちなみに、でも読む婚外恋愛ブログ。だって人の恋愛話は面白いんだもん)




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